2019年6月29日

所有者不明の土地を一定の条件で売却できるようにする法律が成立する見通しです。所有者不明土地は、2040年には北海道の面積に迫る見通しです。再開発などの妨げとなってきたが、法整備でようやく自治体や民間による活用の可能性が広がります。所有者不明土地とは、不動産登記簿だけで所有者が判明しないか、連絡がつかない土地のこと。発生する大きな原因は相続していないケースです。相続後の管理などの手間を嫌いあえて登記しないケースなどが問題になっています。土地が利用できないことによる機会損失や所有者を探すコスト、税の滞納などによる経済的損失は、17~40年の累計で少なくとも約6兆円にのぼるとの推計もあり登記官に旧土地台帳を調査する権限などを与え、所有者がわかれば登記官が登記を変更でき調べてもわからなければ、土地を利用したい自治体や企業の申し立てで裁判所が管理者を選び、売却できるようにします。空き家対策で先行する英国では、一定の手続きを経て自治体が利用権を収用できる権限の強い制度があります。空き家を放置する所有者への抑止力にもなっているとされ、日本での対策にも応用できるとの指摘もあります。