2019年10月31日

「人生100年時代」長寿が進みますが、それを支える経済的な裏付けなくしては満足した暮らしは望めません。長く働く以外にキャッシュを生みだす資産は、潜在力を秘める「自宅」です。6割強の日本の持ち家比率は、高齢者に限れば8割超です。半面、高齢者の総資産のうち半分は持ち家など実物資産が占め、米国と比べて株式、保険などの金融資産の比率は低い。老後資産の2000万円問題が関心を集める中、多くのシニア層は今後、持ち家の活用と向き合うようです。 「自宅の資金化」には大きく4つの方法があります。①売却、まとまった資金を確保。②賃貸、自宅の所有権を残しながら賃料収入を確保。③リバースモーゲージ、自宅を担保に金融機関からお金を借り、金利分だけ返す仕組み。元本は自分の死後、自宅を売るか手持ち資金で一括返済。④リースバック、自宅を売り、新たな家主に家賃を払って住み続ける。リバースモーゲージは、慣れ親しんだ自宅に住み続けながら余裕資金も確保したい利用者の需要を取り込む商品。日本での累計融資残高は1500億円前後と、リバースモーゲージ大国の米国の1%に満たないです。とはいえ、人口減・高齢化に直面する日本が向かう先は、リバースモーゲージやリースバックが時代の要請に応えられるかどうか、試される局面といえるでしょう。