2019年11月30日

法制審議会(法相の諮問機関)は、所有者不明土地対策の原案を纏めました。不動産を相続する人が誰なのかをはっきりさせるため、被相続人が亡くなった際に相続登記の申請を義務付ける。手続きを簡素化する代わりに、一定期間のうちに登記しなければ罰則を設けることを検討。法務省は、2020年秋にも民法や不動産登記法の改正案をめざします。所有者が分からないまま放置される土地が今後も増えるのを防ぐのが狙いです。現在、相続登記する際はすべての相続人を挙げて申請する必要があります。被相続人の出生から死亡までの戸籍の提出を求めるなど煩雑な手続きが必要。新制度では、被相続人の死亡を証明する書類があり、自分が相続人の一人だと証明できれば相続人全員がそろわなくても簡易的に登記できるようにします。所有者不明の土地は、外部からは権利者が誰か分かりにくいため、円滑な不動産取引を妨げる要因となります。管理が十分でないまま放置されれば周辺環境の悪化にもつながりかねません。被相続人の死亡時に簡易的な登記を義務付け、所有者の分からない不動産がこれ以上増えないようにします。所有者不明土地の推計は、2016年時点の所有者不明土地が全国に410万ヘクタールあるとされ、九州本島の面積約370万ヘクタールを上回っています。