2018年6月23日

 老朽マンションが地価の押し下げ要因になっています。集合住宅が集まる「密集地」の過去10年間の地価を調べたところ、平均築年数が40年以上の地域は約9%下落しています。かつては都市人口の受け皿だった郊外物件が多く、高齢化が目立ちます。分譲マンションは、2017年末で全国に14万棟以上あり、うち築40年以上は1割強。多くが1981年以降の新耐震基準を満たしていない。震災時のリスクは高く、2017年4月時点で建て替えを終えたのは全体で232件。結果的に周辺物件が古くなるほど地価が下がる傾向です。下落地点の割合も40年以上は9割に達します。「老朽マンションの集積地は住民の高齢化も進み、人口が減りやすい」高齢化で消費が鈍る悪循環が地価に響く。千葉県の我孫子市や船橋市、千葉市、埼玉県狭山市、大阪府箕面市も下落率が2割を超す地点があります。いずれも近隣に古い大型団地があり1970年代以降に大量供給された団地は同世代が集まったため高齢化も急なためです。超高層住宅(タワーマンション)が林立し、子育て世帯が殺到している都心の再開発地区も同じ道をたどる懸念があります。